「未完の30分」と、海辺の街。

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昨夜、録画しておいた『魔女の宅急便』を鑑賞いたしました。

冒頭、主人公が海に浮いているような美しい街並みに降り立つシーン。あの一瞬で、私の心は数秒にしてかつての記憶へと引き戻されました。坂道から海を見下ろすあの色彩、あの空気感は、私にとっての原風景そのものです。
しかし、録画機器は「プロ野球の情熱」までは計算しきれていなかったようです。
白熱した中継の余波で放送開始が30分繰り下がっていた影響により、物語がいよいよクライマックス、彼女が必死にデッキブラシで空を舞おうとしたその瞬間……。
画面は、まるで最初から何もなかったかのように、パッ、と黒く静止し、私の鑑賞時間は唐突に終了いたしました。
あと30分。彼女が魔法を取り戻したのか、無事に大切な人を救えたのか。
結局、彼女は飛べたのでしょうか。
いえ、きっと飛べたのだと自分に言い聞かせて、今日という一日を始めております。

坂道が多く、どこか懐かしい、海の見える街。
函館が、私の故郷です。